運動でEDを改善できる場合がある
運動で勃起不全(ED)を改善の方向に向かわせる効果はあります。
しかし、EDにも原因は様々あり、原因により運動が効果的な場合と特に医師と相談しつつ進めるべきである場合があります。
運動を行うことはとても大事ですが、まずは自分の原因を推測しつつ効果的に運動を取り入れることが大切です。
また、EDの程度が重い場合やEDにより生じている問題が大きい場合、まずは医療機関に相談することが大切です。
その上で、自分でできることとして運動を取り入れるようにしましょう。
運動の分類
運動を「有酸素運動」と「無酸素運動」に分けて考えます。
有酸素運動
ジョギングや水泳など、ある程度以上の長さをかけて行う運動です。
筋肉を動かす際に、酸素を使用します。
有酸素運動により、以下の効果が見込めます。
- 脂肪燃焼
- 心肺機能強化
- 基礎代謝向上
- 血圧安定
- ストレス緩和
注意点として、自転車による運動のしすぎはEDとの関連が指摘されています。
すぐに影響があるものではありませんが、自転車による運動を行う際はサドルからの刺激を緩和させるように気をつけてください。
無酸素運動
筋トレや短距離走など、短い時間に高い負荷が筋肉にかかる運動です。
筋肉を動かすために、筋肉に溜めてあるエネルギーを使用します。
無酸素運動により、以下の効果が見込めます。
- 基礎代謝向上
- 筋力向上
- 血流改善
- 男性ホルモン向上
- ストレス緩和
EDの原因ごとに特に効果のある運動
勃起不全(ED)には、大きく分けて4つの原因があります。
運動が効果があるか、どの程度効果があるかはまず大まかに原因を考えることにより理解できます。
もちろん、個人により体の状況は様々です。
特に持病をお持ちの方やお薬を服用中の方は、かかりつけの医師にご相談しつつ運動をはじめてください。
原因が体…動脈硬化の進行、神経の障害など(器質性ED)
体に原因がある場合、更に原因を細かく分けることができます。
血管性:血管に異常がある場合
糖尿病,高血圧,脂質異常症,動脈硬化,睡眠時無呼吸症候群、メタボリックシンドローム、加齢など
加齢もしくは生活習慣病による動脈硬化が多いパターンです。
動脈硬化等では血管の弾力が失われた状態になりますが、ペニスの勃起に必要な血液を送ることができなくなります。
血管性EDには適度な有酸素運動が特に効果的
適度な運動を日頃から行うことで、血管がしなやかになり、EDの改善にも繋がります。
できれば、1日30分以上の運動を行うことが理想的です。
また、しなやかな血管を目指すためには、食生活も一緒に改善することが必要です。
過度な脂質や塩分などを控え、バランスの取れたいわゆる「健康的な食事」がEDの根本的な原因を解決してくれるのです。
無酸素運動も効果が見込める
無酸素運動を行うことにより、男性ホルモン(テストステロン)の上昇が期待できます。
テストステロンが低下するとインスリン抵抗性が低下すると言われていて、糖尿病とも関連があると考えられています。
また、筋力をつけると有酸素運動の効果があがるので、有酸素運動と合わせることでより大きな効果が期待できます。
神経性:神経に異常がある場合
糖尿病,脳卒中、パーキンソン病、アルツハイマー型認知症、骨盤内手術,脊髄損傷,多発性硬化症など
何らかの原因で神経に障害が発生している状態の場合、性的興奮を感じた脳から「ペニスを勃起させよ」という伝達がペニスまで伝わらなくなってしまいます。
医師と相談した上で対応を決める
神経性EDは複数の異なる病気が原因になり得ます。
その改善には医師の判断が必要になる場合が多いため、かかりつけの医師と相談し改善に努めてください。
内分泌:主にテストステロンの低下が原因の場合
性性腺・下垂体・甲状腺などの内分泌疾患 ,男性更年期障害など)
男性更年期障害には、無酸素運動が効果的
男性更年期障害は、テストステロン(男性ホルモン)の減少により性機能低下や精神神経症状などが見られる疾患です。
テストステロンの減少を抑えるためには、無酸素運動が効果的。
筋トレ等で筋肉を動かし、筋肉量を増加させることで、テストステロンを増加させることができます。
陰茎性
ペロニー病,陰茎弯曲症,尿道下裂など
医師と相談した上で対応を決める
陰茎性EDは個人の症状により専門的な対応が特に必要になります。
その改善には医師の判断が必要になる場合が多いため、かかりつけの医師と相談し改善に努めてください。
原因が精神(機能性/心因性)
精神的な問題で勃起不全に繋がる場合、大きく分けて2つの原因があります。
- 過去の性行為での失敗や経験が無いことによる性行為への心理的な負担
- 日常の過度なストレスによる性機能の低下
性行為への心理的な負担には、直接的に原因は解決しないが効果はある
性行為に関するトラウマや経験不足から来る不安という原因については、
パートナーの協力を得て二人で解決していったり、精神的なカウンセリングを受けることが直接的な解決になります。
そのため、運動が直接、心理的な問題を解決することにはなりませんが、効果が無いとも言えません。
有酸素運動・無酸素運動どちらも良い効果が見込めます。
有酸素運動を行うことで、ストレス解消やポジティブな気分になれる
有酸素運動を行うことで、ストレスを解消してくれるエンドルフィンやセロトニンなどが発生します。
うまく行かず悩んでいるとメンタルにより大きな負担をかけてしまうため、運動によるリセットは効果的と言えます。
また、キツすぎない適度な有酸素運動を行うことで、副交感神経を刺激しリラックスした精神状態に入ることができます。
トラウマや日常の悩みを解決することはできませんが、メンタルの緊張を緩和してくれるため、考えすぎを防止してくれます。
無酸素運動を行うことで、ストレス解消や自信の向上につながる
有酸素運動と同じように、無酸素運動でもストレスを解消してくれるエンドルフィンやセロトニンなどが発生します。
うまく行かず悩んでいるとメンタルにより大きな負担をかけてしまうため、運動によるリセットは効果的と言えます。
また、無酸素運動により筋肉量を向上させることができますが、筋肉量が増えると男性ホルモン(テストステロン)が増えます。
テストステロンの分泌量が増えることで、一般的に「自信を持っている」ような精神状態に寄せる効果が見込めます。
トラウマや日常の悩みを解決することはできませんが、メンタルの緊張を緩和してくれ、考え方にも影響を与えてくれるため、効果が期待できます。
原因が内服中の薬剤(薬剤性)
医師と相談した上で対応を決める
薬剤性EDは服用中の薬物に関わる問題のため、専門的な知識が必要になります。
その改善には医師の判断が必要になる場合が多いため、かかりつけの医師と相談し改善に努めてください。